■「残価」は2年後の市場価格を想定
かえトクが登場した背景には、通信と端末の分離による競争環境の変化があります。「実質0円」のように、毎月の通信料金で回収することを見越した端末の安売りは事実上できなくなりました。
かえトクでも、残価を極端に高く設定すれば「実質0円」を実現できそうに思えます。しかしそんなことをすれば、他キャリアのユーザーが端末だけを購入するためauショップに殺到するはず。これではKDDIは大赤字です。
残価の設定はKDDIの裁量によるものとなっていますが、実際には2年後の市場価値を想定した妥当な水準に落ち着きそうです。たとえば「iPhone 11」の64GB版では、残価は約41%に設定されています。
残価を免除してもらうには端末を返却することになりますが、画面割れなどの故障時は追加料金が必要になります。「もっと高く売れるはずだ」と思うなら、普通に端末を購入し、2年後に中古ショップに売るという選択肢もあります。
2年半前に登場した「iPhone X」の場合、中古の下取り価格は定価の35%程度まで下がっています。本体の状態や付属品の有無など、査定によっては30%を切るでしょう。そう考えると、かえトクのほうがお得な場面というのはたしかにありそうです。