■現場で取材できる環境を検討してほしい
実際のところ、企業が発表するリリースベースの内容で記事を書こうと思えば、現場に行かず、配信される映像さえ見ればいい。下手をすると、映像を見ずにプレスリリースだけで原稿は書けてしまう。
編集部など、とにかく速報やニュース記事をアップし、伝えるだけであれば、これでまったく問題はない。
しかし、自分のような記者は、速報などは編集部が書いてしまうため、それでは用なしになってしまう。自分の場合は、現場に足を運び、社長に直接質問したり、関係者と立ち話をして、面白い話をなんとか聞き出して、コラムに落とし込むのが必須だったりするので、「すべて映像配信のみ」となると、商売あがったりだったりるするのだ。
今回のMWCも、ファーウェイは映像配信をやっていたので、日本にいても新製品の情報は手に入れることができた。しかし、実際に無理してバルセロナまで行ったところ、日本人記者が多く詰めかけるということで「リチャード・ユー氏が日本のメディアに対してのグループインタビューに応じてくれる」ということになった。
やはり、現場に行くと、映像配信だけでは手に入れられない情報が転がり込んでくるものなのだ。
これから発表案件を抱えている企業の広報担当者の方には、ぜひとも発表会は映像配信しつつ、リアルの現場も取材させてほしい。映像には流れない、社長や幹部、担当者の生の声を聞けるようにしてほしい。
もちろん、参加する側としては、ウイルスに感染しないよう、睡眠と食事はしっかりととり、万全の体調で参加するし、マスクの装着、手の消毒も欠かさない。
「読者が面白いと思ってくれるニュース」を伝えるために、ぜひとも、企業の広報さんには、どんな形式でもいいので、現場で取材できる環境を検討してもらいたいものだ。