ヤフーを運営するZホールディングスは、傘下の金融サービスを「PayPay」ブランドに統一すると発表しました。この変更により「PayPay銀行」などの金融機関が誕生することになりますが、その名前に戸惑いの声も上がっています。期待はできるのでしょうか。
■ブランド統一で「PayPay銀行」が誕生
今回のブランド統一により、Yahoo! JAPANカードは「PayPayカード」、ジャパンネット銀行は「PayPay銀行」など、2020年秋以降、順次社名やサービス名が変更されます。
これらの商標は2019年4月ごろから段階的に出願されており、ブランド統一に向けて準備を進めてきたことがうかがえます。他社の動きとしては、楽天が「楽天銀行」などで先行しており、最近ではKDDIが「auじぶん銀行」などauブランドへの統一を図っています。
背景には、各社が目指す「スーパーアプリ」の存在があります。1つのアプリに銀行や証券、保険などの金融サービスを搭載していく上で、ブランドが統一されていれば、混乱が少なくて済みます。
また、ヤフーからPayPayへのブランド変更には合理性もあります。Zホールディングスはヤフーの商標を持つ米Oath Holdingsに対し、売上から手数料などを引いた額の3%にあたるライセンス料を支払っています。
ヤフーはPC世代にとってなじみ深いブランドではあるものの、スマホ世代を含め、幅広い年齢層に向けたPayPayブランドへの移行は時流に乗った動きといえるでしょう。