格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す!

月660円で制限ありも使い放題の新SIM mineo「マイそく ライト」はオトクかどうか試した (1/2)

文●正田拓也 編集● ASCII

2022年09月11日 12時00分

前へ 1 2 次へ

 mineoから月660円で使い放題という新プラン「マイそく ライト」が登場した。3月に「マイそく」が登場したときと比べると、ややひっそりとしたスタートという感じもある。月660円と安価な理由は、「マイそく」の他プランと同様に平日昼休みの速度制限に加え、それ以外の時間帯も速度が最大300kbpsと遅いため。果たして、これはオトクな回線なのか、実用的に使えるのか、実際に加入して試した。

mineo「マイそく」はMVNOの格安SIMで弱点となる昼休みの時間帯を速度制限し、それ以外は安価に使い放題というプラン。今年3月に始まって、契約数も好調に伸びているようだ

5月に予告のmineoのさらに安価な新プランが8月24日に開始
実際に契約してサービスを試した

 今回開始された「マイそく ライト」は、今春に提供が開始された「マイそく」の3つ目のコースとなり、月2200円の「プレミアム」、月990円の「スタンダード」のさらに下に位置づけられる。存在自体は5月末に発表されていたが、スタートまで約3ヵ月経ってのスタートとなる。

 サービス内容は上位プランとほぼ同様で、MVNOの格安SIMではどうしても混雑する月~金(祝日含む)の12~13時は32kbpsと大きく速度制限し、それ以外の時間帯は原則使い放題。その際の通信速度が「プレミアム」の最大3Mbps、「スタンダード」の最大1.5Mbpsに対して、「ライト」は最大300kbpsとなる。

速度が最大300kbpsになること以外は
普通のmineoと手続きやSIMは同じ

 サービス開始の翌々日の26日(金曜)午前に実際に申し込んだが、土日を挟んでしまったのもあってSIMの発送は3日後の月曜、到着は4日後の30日火曜となった。mineoの場合、審査の進み具合、発送までの過程が詳細に表示されるため安心できる。

申込後、現在のステータスが表示されるので安心だ

 今回はMNPでの利用のため、回線切替手続きが必要になるが、mineoではeoIDでログインして、SIMカードのシリアル番号の一部を入力する手続きが必要となる。切替時間はドコモ/au回線を利用するプランは9~21時だが、ソフトバンク回線の場合は10~19時と短いので注意が必要だ。

 切り替えてしまえば、普通のmineo回線と同じ設定をして、すぐに使い始められる。ただ、使ってみてすぐ感じたのは速度の遅さだ。

最大300kbpsは正直なところ遅い

 ライトの300kbpsだが、体感は今の感覚だと結構遅い。最近のリッチなコンテンツでは動画でなく通常のウェブサイトであっても、山盛りの広告やさまざまな仕掛けでデータの転送量は大きくなっている。

 そのため、ウェブサイト閲覧でテキスト部分だけさっと読めるかというとそうでもなく、何も表示されないまま待たされるページが多い。さらに、後から表示される広告の影響もある。記事リンクをタップしようとしたら、その瞬間に広告画像が表示されて表示位置が変わり、誤って広告をタップしてしまってイラつくというようなケースが、回線の遅さもあって助長される印象だ。誤ってタップしたページを表示するにも戻るにも回線が遅いぶんだけ時間がかかる。

 アプリも起動時にデータ通信をするものがあって、そうしたものでは起動が遅くなる。特に決済系はその傾向が強い。ただし、通信が不能になるというレベルでもなく、起動さえしてしまえば、決済時にレジで時間がかかって迷惑をかけるというほどでもない。

昼休みの時間帯の32kbps制限は覚悟が必要

 平日昼休みの速度制限は、過去に「マイそく」を試しときと同じ状況で、この時間帯のデータ通信は基本的にほぼ使えないものと考えた方がいい。最大32kbpsでは使えるものが本当に限られてしまう。mineoのサイト上での説明(https://mineo.jp/special/mysoku/)でも、32kbpsでは「メール/メッセージ」にしか○がついていない。

mineoのサイトにある、通信速度別にそれぞれのサービスが快適に使えるか示したもの。32kbpsではメールかメッセンジャーくらいとなる

 コード決済アプリも決済する瞬間の反応が遅く、なんとか支払いはできそうだが、それ以前にアプリの起動が困難なため、利用は実質不可と思っていい。32kbpsといえば4半世紀前にインターネットにアクセスする際に使われた28.8kbpsのアナログモデムと同等か若干早い程度。今はネットのサービスがリッチになっているため、当時以上に実用性はほとんどない。

通信の開始時は若干速度が上がるが基本は300kbps

 「マイそく ライト」の速度感は大体わかっていただけたと思うが、実際に速度を測ってみると300kbpsに若干満たないくらいとなった。ただ、通信の開始時だけわずかに速度が上がる仕組みは採用している。

 なお、300kbpsといえば、IIJmioの低速モードも同じ速度でその使い勝手が意外に良かったことを思い出した。そこで速度測定の際に比較として同時計測した。

平日夜9時台の速度

(Mbps) 下り 上り
マイそく ライト 0.28 0.21
IIJmio 低速 0.32 0.23
マイそく スタンダード 1.44 1.36

平日朝8時台の速度

(Mbps) 下り 上り
マイそく ライト 0.26 0.22
IIJmio 低速 0.26 0.23
マイそく スタンダード 1.42 1.31

 速度が32kbpsになることもあって、昼休みの計測はパス。朝と夜だけの数値となるが、300kbps対決ではIIJmioにわずかに負けている。この程度の速度差は誤差の範囲と思うかもしれないが、動画再生では途中停止の頻度がわずかに異なり、動画再生中の我慢度合いに微妙な差があるようで、残念ながらmineoが少し下回っている感じだ。すべての時間帯でIIJmioが勝っているわけではないが、全体的にはIIJmioのほうが好印象だった

測定は「マイそく スタンダード」をiPhone、「マイそく ライト」とIIJmioをRedmi Note 11で行なった。「まいソク ライト」だけau、あとはドコモネットワークとなる

 ちなみに300kbpsという速度は、YouTubeのように低速時の画質や音質をうまく自動で調整するサイト以外では動画を見ることはまずできない。たとえば低速時のモードが充実していないTVerは、途中停止を頻発して快適な視聴は不可だった。

1台にマイそく ライトとIIJmioの2枚を挿して300kbps対決した

前へ 1 2 次へ

mobileASCII.jp TOPページへ

mobile ASCII

Access Rankingアクセスランキング