ASUSのスマートフォン新モデル「Zenfone 11 Ultra」は、6軸ジンバルモジュールを搭載した手ブレに強いカメラはしっかり継承しながらも、ディスプレーが大幅にサイズアップするなど劇的な変化を遂げている。どのように変わったのかを実機から確認してみよう。
なお、価格は16/512GBのモデルが15万9800円、12/256GBのモデルが13万9800円で、発売は7月5日から。
独自の小型プレミアム路線を進んでいた「Zenfone 10」と比べると
6.78型の大画面でかなり大型の筐体に
まずは本体を確認すると、Zenfone 11 Ultraは6.78型のディスプレーを搭載しており、サイズは約76.8×163.8×8.9mm、重さは約225gとなる。
前モデルに位置付けられるのは「Zenfone 10」なのでこちらと比べた場合、ディスプレーサイズは5.9型でサイズは約68.1×146.5×9.4mm、重さは約172g。Zenfone 11 Ultraは「Ultra」という名称が付いたように、画面サイズが大幅にアップしたことからサイズも必然的に大幅にアップしている。
サイズの大型化によって、Zenfone 11 Ultraはより一般的なスマートフォンに近いサイズ感に変化したといえるが、実はこのサイズにとても近い製品が1つある。それが2024年5月に発売されたばかりの「ROG Phone 8」で、ディスプレーサイズと本体サイズはまったく同じ。重量もROG Phone 8は225gなので、ほとんど変わらないサイズ感であることは理解できるだろう。
実際Zeofone 11 Ultraは、ROG Phone 8シリーズをベースに開発したとされており、詳しくは後述していくが、機能・性能はかなりの部分でROG Phone 8と共通している。中でも底面のUSB端子の位置が中央ではなく左側に寄っている部分などは、ROG Phone 8とハード面での共通化が図られていることを実感させられる部分だ。
一方で、ROG Phone 8シリーズにあった、AirTrigger用の超音波センサーや、横にした状態で下部に位置する左側面のUSB Type-C端子、そして背面が光る「Auraライト」など、ゲーミングに関連する要素は、端末のコンセプト上さすがにカットされている。
背面もASUSの「Aモノグラム」のラインが入るなどして独自色を打ち出してはいるものの、Zenfone 10シリーズまで採用してきた布に近い触感とは違った、マット調で落ち着いたスタンダードなデザインとなっている。
手ブレに強い広角カメラに望遠カメラも追加
続いてカメラを確認すると、Zeofone 11 Ultraの背面カメラは5000万画素/F値1.9の広角カメラと、1300万画素/F値2.2の超広角カメラ、3200万画素/F値2.4で光学3倍ズーム相当の望遠カメラの3眼構成。広角カメラのイメージセンサーにはソニー製の「IMX890」を採用しており、こちらもROG Phone 8と共通していることがわかる。
それゆえカメラ性能も、基本的にはROG Phone 8と同じと考えて問題ないだろう。Zenfone 10と比べた場合、新たに望遠カメラが搭載されたことから、最大で3倍の光学ズームに対応するのに加え、非加工のRAWファイルとAI技術を用いて高倍率のズーム写真をクリアにする「HyperClarity」にも対応している。
そして広角カメラには、Zenfone 10まで搭載されてきた大きな特徴でもある、6軸ジンバルモジュールを継続して採用。光学式・電子式の手ブレ補正にも対応していることから、手ブレに非常に強いカメラは健在だ。
それゆえ暗い場所で安定して撮影できるのはもちろんのこと、動画撮影時も6軸ジンバルと電子式手ブレ補正を合わせた「HyperSteady」による、ブレを大幅に押さえた動画撮影が可能な点はもちろんのこと、長時間露光で光の軌跡を残す「ライトトレイル」モードでの撮影も非常に快適だ。
上の動画は手ブレ補正をオフにして撮影したもの。凸凹があるためかなりのブレが生じていることがわかる。
上の動画は、6軸ジンバルモジュールに電子式手ブレ補正を加えた「HyperSteady」に設定して撮影した動画。画角は狭くなるがブレは大幅に抑えられている。
一方のフロントカメラは3200万画素/F値2.05で、こちらもROG Phone 8と共通しており性能は高い。0.7倍と1倍の画角切り替えが可能であるほか、美肌機能なども備わっている。