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この低音むっちゃ面白い!  耳をふさがないのに極太ベースが響く、英国・個性派イヤホンの音に夢中になった! (2/5)

文●小林/ヤマ 編集●ASCII

2026年09月22日 17時00分

LANDER 20Hzを購入する3つのメリット

ポイント(1):開放型イヤホンではこれまで体験できなかった重低音体験

 インナーイヤー型のメリットは開放感があって自然な音の再現ですが、これは耳を密閉しないことによる「低音の逃げ」という最大の弱点の原因でもあり、トレードオフの関係にあります。

 しかし、このLANDER 20Hzは、その常識を完全に覆しているのが面白いです。15.4mmの大型ドライバーから放たれる高い音圧と、独自の「ヘルムホルツ共鳴器」の相乗効果によって、マジ?っと思うほど充実した低音を聴かせてくれます。

 実は製品名にも示されている20Hzは、人間が聞き取れる音の下限です。この製品で20Hzのサブベースを実際に感じ取れるかはわかりませんが、その低音と深さは、耳に載せて音を流した瞬間に分かると思います。

15.4mm口径の大型ドライバー

 一方で、非常に繊細で柔らかい中高域の再現も魅力的です。最近のHi-Fiイヤホンは輪郭がはっきりして、少し尖った印象の音が多いのですが、LANDER 20Hzは昔の深夜のFM放送(電波が非常によい深夜などに音を聞くと非常に柔らかく、透明で浮揚感のある再現が楽しめて感動的だった)を思わせるアナログ的な響きがあります。

 音の粒子は細かいけれど、刺激的な要素がないあの感じです。普段、カナル型のイヤホンで音楽ストリーミングやradikoのパキッとした音を楽しんでいると忘れてしまいがちなあの感覚を思い出しました。

 これに先ほど紹介したような、太く深く沈み込んだ低音が加わります。FMラジオの優しい中音と高音にいかついサブウーファーをつけたような組み合わせは、最初はミスマッチのように思えるかもしれません。しかし、その音を聞いてみると極めて魅力的で、聴き疲れせずずっと聞いていられる、病みつきにある感覚がありました。

音の出る面が平らなフラットヘッド型の本体

ポイント(2):独特なデザインと、軽く圧迫感のない付け心地

 力強い低音を鳴らしながらも、3Dプリンターで作った本体は軽く、装着感が非常にいいのも特徴です。耳穴をふさがないため、カナル型のような圧迫感がありませんし、低音も高音も耳元に留まらず、周囲の空間へ広がるような抜け感があるので、音の表現も非常に自然です。これが長時間のリスニングの快適さにつながると思います。このあたりは開放型ならではの魅力でしょう。

 3Dプリンターで造形したメカニカルな外観も個性的で、軽量かつ耳への収まりが良い実用性を備えています。なお、外側にランドセルのように張り出した部分がヘルムホルツ共鳴管です。ビール瓶に口で息を吹きかけると「ボーッ」という太い音がなりますが、あれと同じ仕組みがイヤホンについているとイメージしていただければと思います。

 この仕組みは楽器でも非常によく使われており、オカリナやパイプオルガンなども同様です。原理自体は昔からあるものですが、これをイヤホン用に最適化するのは非常に難しく、3Dプリンターと解析、試行錯誤の成果とのことです。

後ろ側が太い独特な外観をしていますが、本体は軽くてつけている感覚がないほどです。

ヘルムホルツ共鳴管の模式図

ポイント(3):リケーブル対応、スマホにも接続できる軽快感

 こだわりの詰まった設計でありながら、取り回しが非常に良い点も魅力です。インピーダンス64Ω、感度98dB/mWという仕様なので、高出力な専用アンプを用意しなくても、スマートフォンやノートPCに直接繋ぐだけで十分な音量が得られます。手軽に本格的なサウンドを楽しめる軽快さがあります。

 さらに汎用的なMMCX端子を採用しているため、リケーブルにも対応します。万が一の断線時の交換はもちろん、長さやケーブル素材を変更して自分好みの使い勝手や音傾向へカスタマイズできる拡張性があるのも心強い点です。

標準で付属するのは3.5mmのケーブルですが、MMCX端子なので4.4mm端子にリケーブルして、バランス駆動を楽しむといったことも可能です。

購入時に注意するべきポイント

ポイント(1):耳の形や装着位置による低音の変化

 音漏れのしやすさと遮音性の低さは、本機の特徴とトレードオフになるポイントです。開放型の構造上、周囲への音漏れはあり、外音も入ります。ベストなサウンドで聞きたいのであれば、静かな屋内での使用が前提になると思います。

 また、耳の形や装着位置によって低音の量感は変わります。低音が物足りないと思った場合は、イヤホンの位置が悪い場合もあるので、付属のスポンジカバーなどを使い、最適な位置へ調整する必要があります。

ポイント(2):修理は本国対応、時間がかかりそう

 Valphonicsは、本機の生産を英国のNewtownardsの自社工房で、設計から組立までを一貫して手がけています。製品は一台ずつ手作業で仕上げられ、ドライバーのチャンネルマッチングをはじめとする調整は、設計者自身の手によるものです。

 そのため製品が破損した場合の修理も、英国の同工房で対応することになります。これは安心感の一つとも言えますが、時間がかかるといったデメリットもあります。また、保証期間内の送料は販売代理店の飯田ピアノが負担するとのことですが、長期間にわたって使う場合は故障や修理のリスクがある点も理解しておくといいでしょう。

製作の様子

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