松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」

ファッションを主張するドコモ新シリーズに思う (1/4)

文●松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

2008年11月20日 20時24分

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【今週の1枚】STYLEシリーズのステージより。ケータイを持ったモデルがウォーキングし、各シリーズの個性をファッションショー形式でアピールするイベントは、とても分かりやすい演出だった

 NTTドコモが11月5日に発表した秋・冬ケータイは、大きく4つに分類されていることはご存じの通りだ(関連記事)。

新しいシリーズで新たなブランディングの実現を狙う

STYLEシリーズ
「自分らしいがきっと見つかる。選べるファッショナブルケータイ」

PRIMEシリーズ
「フルに楽しむ。先取りする。新世代エンタテインメントケータイ」

SMARTシリーズ
「ONもOFFもマネジメントする。大人のインテリジェントケータイ」

PROシリーズ
「先進テクノロジーを自在に操る。デジタルマスターケータイ」

 今までの高機能を求める人は90xシリーズ、個性的なケータイを求める人は70xシリーズというチョイスだったものが、より細分化された。ただ、端末の中身を見るとPRIMEシリーズは90xシリーズ系、STYLEシリーズとSMARTシリーズは70xシリーズ系に近く、個性派ケータイを揃える。それ以外のスマートフォンなどをPROシリーズに分類した、と見れば理解しやすい。

 とはいえ、新製品発表会を取材すると、STYLEとSMARTとで端末の分類が難しかったり、「どちらかというと別のシリーズに配置されるべきでは?」という端末もあった。一目で何シリーズか分かるほどの個性を発揮し切れていないのではないか、と感じたのである。

 2008年11月13日に、六本木ヒルズでドコモの新シリーズをモチーフにしたファッションショーが開催された。各シリーズの分類を4つのショーの演出で分かりやすく再現した「ファッションとしてケータイを選ぶ」という観点から考えると、モデルがどのケータイとどのファッションブランドをコーディネートしたか、という情報まで知りたかった。ただ、シリーズのコンセプトは非常に明快になったように思う。

 僕の中で何となく曖昧だったSTYLEとSMARTの分類は、STYLEはストリート・トレンドにも通じる様々なカルチャーをミクスチャーしていくライン、SMARTはコレクション・トレンドに振った重厚感あるライン、という理解でよいのではないだろうか。

トップの画像と同じくSTYLEシリーズ。個性あふれるミクスチャー系のファッションに身を包んだモデルが、やはり個性の強い端末を耳に当ててウォーキング

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