松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

アップルカード発行開始へ 日本ではドコモと組むか? (4/4)

文●松村太郎 @taromatsumura

2019年08月08日 16時00分

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●そう考えると、Apple Cashはさほど遠くなさそう?

 日本ではまだ、誰がApple Cardのパートナーになるのか、Apple Cashをホストする銀行になるのかはわかりません。しかし、裏側の仕組みを見れば、完全にゼロから金融サービスを構築しようとしているわけではないので、日本でも実現できるのではないか、という希望が見えてきます。

 このシナリオの中、Apple CardとApple Cashを手っ取り早く1つのパートナーで実現するなら、NTTドコモが最適かもしれません。ドコモはクレジットカードdカードを持ち、また資金移動業者として「ドコモ口座」の送金・決済サービスを展開しています。モバイル決済のインフラ「iD」にも強みがあります。

 もちろん、KDDIやソフトバンク、楽天といった他のモバイルキャリアに角が立つため、そう簡単に選択できる相手ではありませんが、AppleがJR東日本とパートナーシップを組んでApple PayをSuicaに対応させたことを考えると、あり得なくもない選択肢ではないでしょうか。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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