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KDDI「ヘリコプター基地局」で遭難者を捜索 (1/4)

文●石川温

2019年11月06日 10時00分

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 登山ブームのなか、山で遭難する人も相次いでいる。

 家族から「山登りに行ったきり、連絡が取れない。帰宅していこない」という連絡があれば、地元の消防団などが山に登り、遭難者を捜索しなければならない。

 KDDIでは、新潟県魚沼市消防署の協力を得て、遭難者を携帯電話の電波を使って捜索するという実証実験を実施した。

 魚沼市にある荒沢岳は、登山者に人気だが、携帯電話の電波はつながらない。しかし「年間、10件ほど遭難者の捜索に出動している」(魚沼市消防署関係者)というほど、遭難者が相次いでいる山でもある。

 KDDIでは、今回、バッグ型(可搬型)の携帯電話基地局を開発。2GHzのアンテナとフェムトセルを応用した基地局設備、ノートパソコン、バッテリーなどをバッグに詰め込んだ。モバイルコア部分は3kg、バッグを含めた総重量は7kgというコンパクトさだ。

 遭難者を探すため、このバッグを持ったスタッフが、中日本航空のヘリコプター(AS350B)に乗り、上空から携帯電話の電波を発射。圏外の場所でも、エリア化し、遭難者に対して、SMSを送ったりすることが可能になるという。

 実際に上空300mでヘリコプターが飛んだ場合、横方向に1.6kmの範囲で音声通話が可能で、SMSや携帯電話のGPS情報を取得するのであれば、2kmの範囲まで電波を飛ばすことができる。

 実際に、ヘリコプターに同乗し、捜索の様子を取材した。

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