●楽天モバイルの優位性は薄れた
楽天モバイルにいま求められているのは早期に契約者数を増やし、経営を安定させることだ。かつて三木谷浩史CEOは楽天モバイルの損益分岐点を700万契約としていたが、それはすべてのユーザーから、以前の料金プランで設定されていた3278円を徴収できた場合の計算となる。
現在の新しい料金プランでは月間1GB未満の利用なら通信料収入はゼロ円となる。仮に700万人を集めても、すべてのユーザーが1GB未満なら収入はゼロ円なわけで、楽天モバイルとしては早期に700万を超えるユーザーを集めつつ、できるだけデータ通信を使ってもらい、3278円に張り付いてもらうことが急務となるのだ。
NTTドコモがahamo、KDDIがpovo、ソフトバンクがLINEMOなど、各社が3000円程度のオンライン専用プランを出したことで、楽天モバイルの優位性が薄れてしまった。このままでは、単に料金プランの比較だけでは差が無く、ユーザーの流動性が上がるとは思えない。
今後、市場を活性化させ、さらに市場の流動性を上げるのは、総務省が作ったルールの中で、競争を阻害する要因を撤廃していくのが望ましいのでは無いか。
すでに安価な料金プランが出そろい、日本の通信料金は世界的に見ても安い部類に入っていた。すでに菅義偉総理大臣の要望はかなえた状態だ。
これからさらに市場を活性化させるには、端末の割引規制を見直し、楽天モバイルが有利な立場にできる一方で、5Gスマホの普及を加速させる方向に舵を切るべきではないだろうか。