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1/1.12型センサーのカメラ&サブディスプレーはどう使う!? シャオミ「Mi 11 Ultra」の実力をチェック!

文●友納一樹 編集●ASCII

2021年06月12日 12時00分

 今回レビューするのは、シャオミのSIMフリー端末「Mi 11 Ultra」。3月末に発表、4月2日より中国で発売されている、シャオミの最新フラッグシップモデルです。特徴は、最大5000万画素の3眼カメラ。120倍のデジタルズームが可能で、ほかにも多彩な撮影機能を備えています。

 本機種は、日本での発売時期・価格は現時点で未定です。今回はグローバル版を使用してのレビューとなりますので通信に関わる部分は触れていません。普段使いとしてのレポートではありませんが、本体やカメラ機能をメインに使用感などをお伝えします。

背面のカメラは圧倒的存在感
小さなサブディスプレー付き

 まずは本体を見ていきましょう。Mi 11 Ultraは、画面比率20:9のディスプレーを搭載する縦長のデザイン。縦は約164mmあり片手操作は難しいところ。ただし、厚さは約8.38mmと抑えられています。9mm近く厚みがあると握ったときにかなりたくましさを感じますが、8mm程度なら持ちにくさは感じません。しっかりホールドできるサイズではあります。

約74.6×164.3×8.38mm、重量は約234g

 本体は、背面上部にカメラ部を搭載するため、必然的に頭のほうが重くなっています。持っていてバランスを崩す……ほどではありませんが、なんとなく向こう側(頭側)に傾く感覚はありました。また、背面がかなりツルツルしていることもあり、手の小さい人だとうっかり滑り落ちてしまうことがあるかも。しっかりホールドできるものの、気を付けたいポイントです。

背面上部のカメラは存在感抜群。付属のクリアケースは左右両側のフィット感がややゆるかった

 そのほか、通信面では5G+5GのDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)に対応。なお、外部ストレージ用のスロットはなく、microSDなどは使用できません。

本体右側に電源ボタン(表面に波紋のような加工有り)と音量ボタン

下部にSIMカードスロットとUSB Type-Cポート

 圧倒的な存在感を放つカメラ部ですが、実はレンズの右横に1.1型のサブディスプレーを搭載しています。ディスプレーの表示内容はカスタマイズ可能で、時刻や電池残量、オリジナルのアイコンなどを組み合わせることができます。通知も表示できるとのことですが、このサイズではメッセージ本文をチェックするのは厳しそうです。

本体をうつ伏せに置いたり、サブディスプレーをタップしたりすると表示される

設定から表示内容をカスタマイズ可能

3眼カメラは隙のない充実ぶり
サブディスプレーを使った自撮りも可

 最大の特徴であるアウトカメラは、広角(5000万画素)+超広角(4800万画素)+望遠(4800万画素)の3眼構成。広角レンズにはスマホ史上最大級のサムスン製1/1.12型センサーを搭載します。超広角レンズはソニー製の1/2.0型センサー「IMX586」を搭載し、最大128度の画角に対応。望遠レンズも同じくソニーのIMX586を搭載。光学5倍ズーム、ハイブリッド10倍ズーム、120倍デジタルズームが可能です。

 いずれもメイン級の高いスペックを備えています。スペックだけを見ても、スマホカメラのなかではトップオブトップの性能と言えるでしょう。実際の仕上がりは、非常に鮮やか。どのシーンでも色がきれいに出るし、それでいて細部も鮮明に捉えています。ズームは画面内のアイコンをタップして切り替え可能。5倍、10倍でもこれだけの画質を維持できればかなり実用的。動物など被写体に近づけないときに積極的に活用できます。

標準で撮影

超広角128度

光学5倍ズーム

ハイブリッド10倍ズーム

動物に気付かれずに撮れる

 120倍ズームはさすがに画質が落ちます。被写体にピントを合わせるのもかなり苦労するので、実用的ではないかもしれません。ただこの距離でも撮影できるのは驚きです。

中央やや右寄りの建物を120倍ズームすると……

ロゴを捉えることができた。ただブレが大きくなるので大変

 花や食事などはAIがそれを認識。「夜景」モードは超広角/通常/5倍で撮影できます。全体に明るくしながらも、暗部とのバランスもちょうどよく仕上げてくれます。

食事と認識

空が明るくなりすぎたか

光量が多い場所でも問題なし

 数ある撮影機能のなかで試してみたかったのが、星空の撮影。三脚などにスマホを固定し、長時間露光で撮影します。撮影した日は雲の多い夜空でしたが、肉眼では見づらい星をしっかり捉えていました。

露光時間は30秒ほど。ぼうっと明るいがよく見ると星がたくさん写っている

 先に紹介したカメラ横のサブディスプレーは、ファインダーにもなります。つまり、自撮りするときもアウトカメラを使えるんです。ポートレートや夜景モードなどでは使えないのが残念ですが、インカメラよりも高画質な自撮り写真を撮れます。

自分の映りを確認できる

インカメラ(左)とアウトカメラ(右)。やはりアウトカメラのほうが画質は良い

 インカメラは2000万画素。夜景やポートレートモードで撮影できるほか、小顔・美肌などの補整効果を調整して撮影できます。動画撮影に関しては、3つのアウトカメラで8K撮影が可能です。また、スーパー手ブレ補正機能が付いています。

それぞれの効果を調整可能。フィルター機能もある

高性能ディスプレー&CPUを搭載

 ディスプレーは、6.81型のAMOLED。3200×1440ドットの解像度、120Hzのリフレッシュレートが特徴です。また、衝撃や傷に強いCorning Gorilla Glass Victusを採用しています。インカメラはパンチホール型で左上に配置されているので存在感は薄く、動画やゲームへの没入感は高いはず。ただ、サブディスプレーをファインダーとして使えるので、ディスプレーの視認性や没入感を考えると、いっそのことインカメラは搭載しなくてもよかったかとも思います。サウンド面では、Harman Kardon社製のスピーカーを搭載します。

インカメラはあまり気にならないが……

 OSはAndroid 11をベースにしたMIUI 12。CPUもクアルコムのSnapdragon 888を搭載。メモリーは12GB、ストレージは256GBとなっています。バッテリーは5000mAhで67Wの高速充電に対応する(ワイヤレス充電も可)など、充実のハイエンド仕様。今回は機内モードでの使用だったため実際の動作感や電池持ちは不明ですが、カメラ機能や動画・ゲームなど使い倒せるだけのスペックであるといえます。

バッテリーセーバーや、ゲームターボ機能も

 そのほか、生体認証は指紋・顔の両方に対応。指紋センサーはディスプレーに搭載し、反応速度も良好。顔認証はマスクをしていてもロック解除できるため、セキュリティー面ではやや不安があります。IP68の防水・防塵性能を備えているのもうれしいポイントです。

【まとめ】スマホ以上の性能を持ったハイエンドスマホ
値が張ること間違いなしだが発売を期待

 とにかくアウトカメラの性能は圧巻。今回使って限りでは苦手なシーンは見当たらず、さらに長時間露光のようにほかのスマホカメラでは難しい写真も撮れます。一眼レフやコンデジがライバルといっても過言ではない性能になっています。サブディスプレーは、使用できる撮影モードを増やすなど、活用方法が多くあればさらに便利でしょう。アウトカメラを自撮りに使えるとなれば、インカメラを搭載しないという選択肢も取れます。もちろん、画面サイズが大きくなるだけカメラ部分とのバランスが崩れたり重量も増したりと難しい点もあるのですが……。

 カメラだけでなく、ディスプレーCPUもしっかりハイエンド級のものを備えています。スマホ以上の機能・性能を持ったMi 11 Ultra。日本での発売を期待して待ちましょう。

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