KDDIの狙いは「競合対策」と「囲い込み」
1つは、徹底した「ワイモバイル対抗」だ。
いま、ワイモバイルは「1000円イカ」として3GB月額990円のプランを推している。しかし月額990円が適用されるのは、家族として複数回線契約した2回線目以降だ。
UQモバイルの自宅セット割は、固定回線やでんきを契約しなければならないという高めの条件はあるが、家族がすべて月額990円から利用できる。この「家族すべて」というのがUQモバイルが訴求しているポイントとなる。
もう1つの狙いが「囲い込み」だ。
ここ数年、総務省の意向もあって、スマホの契約はとても解約がしやすくなった。2年縛りもできなくなり、端末のSIMロックも原則禁止となった。eSIMも3キャリアで導入され、気軽に解約して別のキャリアやブランドに乗り換えしやすくなったのだった。
そんな中、乗り換えをしにくくさせる心理的な効果として、結果を残しているのが「家族まるごと」と「固定やでんきとのセット割引」だ。
UQモバイルとしては、固定回線や電気と一緒に契約させることで、顧客を辞めにくくさせようとしているのだ。
自宅セット割は、固定回線にすることで家族がすべて割引が適用となる。家族のうち、1人がほかのキャリアやサービスに移ろうと思っても、家族全員で移行し、固定回線も変えないことには、今の契約と比べて安くならないということもあり得る。