iPhone 14徹底大特集 Plus復活にカメラ超強化のProも大注目!

アップルに取材してわかった「iPhone 14/14 Pro」疑問の答え(本田雅一) (3/6)

文●本田雅一 編集●飯島恵里子/ASCII

2022年09月13日 12時00分

最新デバイスと最新SoC、OSの融合で生まれているiPhone 14 Pro

 True Depthカメラの切り欠きを画面上端ではなく画面上部の中に移動させ、そこに開けたパンチングホールの周辺に黒いインフォメーションエリア(これをダイナミックに情報表示が変化する「島」という意味なのだろう)「ダイナミックアイランド」を設定している。

 単なる情報表示の仕組みに感じるが、実はかなり多くの努力をここに注いでいるようだ。True Depthカメラの幅を40%削減したのもその一つだが、新開発のSoC「A16 Bionic」には、このダイナミックアイランドを表示、アニメーションさせ、表示内容をコンパクトかつ見やすく映し出すためのDisplay Engineが組み込まれている。

 この回路はCPUやGPUとも連携し、アプリが表示のための情報をOSを通して書き込んでおくとパンチホールの周辺にアイランドを重ね合わせて表示。アニメーションや縮小表示時の品質を上げるアイチエイリアシング処理もDisplay Engineがする。

 実際に操作すると、システムに影響を与えずに、生き生きとダイナミックアイランドに表示され、またタップすると操作ができるので便利なのだが、ハードウェアとアプリ開発API、OSの融合技術して実現している要素だ。

 ダイナミックアイランドへの表示は、iOSのさまざまなAPI(アプリが呼び出すソフトウェアの機能セット)を通じて実施され、既存のアプリは簡単に対応できるようあらかじめ仕掛けがなされている。例えば通話に関連するCall Kit、メディア再生周りのNow Playなどと連動し、ライドシェアやフードデリバリー、あるいはスポーツのスコアリング通知などのアプリが、ダイナミックアイランドを用いることになる。

 この機能に「そこまでする必要があるのか?」と疑問に思う読者もいるだろうが、実際に使ってみるとその感覚的な気持ちよさを実感する。

 そしてダイナミックアイランドと連動する形で、同様に最新デバイスの力だけではなく、組み合わせるユーザーインターフェイス技術などと共に端末の付加価値を高めている部分がディスプレイ周りの設計だ。

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