●世界の変革の中で
世界情勢でアップルにとって最もリスクとなるのが東アジア情勢です。
米中貿易戦争も思うような成果が上がらないとみるや、トランプ大統領は中東で成果を挙げようと手を打ってきて、中国との関係は片手間になりそうです。中国にとっては猶予となりますが、根本的な解決とは言えないでしょう。
そして北朝鮮もプレッシャーをかけ始めており、韓国その他との交戦となると、アップルのサプライチェーンにリスクが及ぶ危険性がかなり高いと考えられます。単純に考えて、米国の危機感を煽るには、韓国の半導体やディスプレーの工場を攻撃することが手っ取り早いからです。
中国にとっても、北朝鮮にとっても、アップル、そしてiPhoneは最も分かりやすいアメリカの企業と製品の象徴的な存在だということもあり、その標的になっていることを、アップル自身も理解しているでしょう。
2020年に、アップルがそうしたリスクを軽減する大きな転換をするのかどうか、個人的には非常に興味があるポイントです。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
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