アップルはiPhoneやiPad、Macに搭載するチップの一部の製造を、台湾のTSMCだけでなくインテルに任せる準備を進めている可能性が高い。アップル関連の著名アナリスト、ミンチー・クオ氏が5月14日にXで明らかにした。
アップルは2016年以降、自社製品に使うチップの製造を台湾のTSMC社に独占させていた。
しかしクオ氏によると、インテルが廉価モデル向けのiPhone・iPad・Mac用チップの製造を、試験的にすでに開始しているという。本格的な量産は2027年から2028年にかけてで、これから徐々に拡大していく見込みだそうだ。
ただし、クオ氏はどのチップが対象になるのかは明らかにしていない。iPhone向けのAシリーズなのか、Mac向けのMシリーズなのか、どのチップがインテル製になるのかは不明だ。
製造にはインテルの「18A」という最先端の製造技術が使われ、アップルはインテルが持つそのほかのプロセスノード技術についても評価を進めているという。
クオ氏のより詳しい分析によると、今回の発注は1つの製品ラインだけのお試し注文ではなく、iPhone・iPad・Macという3つの主力製品ラインで同時に走らせており、その配分はアップルの実際の製品販売比率にほぼ一致しているとのこと。発注のおよそ8割がiPhone向けで、これはアップルの端末販売構成をそのまま映したかたちだ。
つまりアップルは、インテルが全製品ラインを任せられるチップの供給先になり得るかどうかを本格的に検証しようとしていることになる。
アップルこのタイミングで動く理由について、クオ氏はTSMCの最先端の生産能力がAI向けチップにどんどん割り振られていること、そしてアップルがまだ交渉力を持っているうちに新しい供給先を育てておく必要があると判断したのではないかとの予測を挙げている。
また、複数の会社からチップを調達できれば交渉でコストを安くでき、供給も安定する。さらに、米国内での製造を増やしたいトランプ大統領の歓心を買えるというメリットもあるそうだ。
もっとも、クオ氏は当面はTSMCがアップルのチップ供給の9割超を担い続けると伝えている。インテルの役割はあくまで製造のみで、チップの設計には関与しない見込みだ。
今回の話をまとめると、設計はアップル、製造はインテルが米国内で担当し、それを一部の廉価モデルのiPhone・iPad・Macに使うというかたちになる。アップルがインテルに回帰するといううわさは複数の情報源から伝えられてきたが、正式な発表はいまだに行われていない。
かつてMacからインテルを追い出したアップルが、今度はインテルを「育てる」側に回るというのは、なんとも因縁めいた話である。
— 郭明錤|Ming-Chi Kuo (@mingchikuo) May 14, 2026

























