MWC Barcelona 2025レポート

Orbicがキャタピラーの頑丈スマホを日本の工場で製造&日本展開予定

文●山根康宏 編集● ASCII

2025年03月08日 11時00分

 スマートフォンやタブレットを世界各国で展開しているOrbicは、CAT(キャタピラー)ブランドの製品の開発・製造を請け負うとともに、世界各国で販売することをMWC25最終日に発表した。その端末は日本の工場でも製造され、「メイド・イン・ジャパン」のスマートフォンが海外でも展開されることになる。

キャタピラー

CATブランドのスマホがOrbicから登場予定

以前は日本市場でも販売されていたキャタピラースマホ
撤退していたが、Orbicが引き継いで製品展開

 CATブランドのスマートフォン/フィーチャーフォンはタフ仕様のアクティブ系端末として以前からリリースされており、日本でもオンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンから「S41」などのモデルが販売されていた時期もある。

 その製品は海外メーカーが、CATからブランドライセンスを受けて製造していた。しかし現在は撤退して、市場から消滅していた。しかし、Orbicが新たにCATブランドの製品を手掛けることになったわけだ。

キャタピラー

CATブランド製品の展開を発表するOrbic Japanアダモポウロス社長

 Orbicから投入される予定の製品はスマートフォンが2機種、フィーチャーフォン1機種、タブレット1機種、モバイルルーター1機種だ。いずれもまだ詳細なスペックは公開されていないが、すでに開発は進められており、4月ころから本格的な生産を始める予定だ。

キャタピラー

タブレットなど5製品を投入

元々は富士通スマホを製造していた工場を活用
日本のモノづくりに加え、関税面でも魅力

 製造はOrbicのスマートフォンも手掛けている兵庫県加東市にあるJapan E.M. Solutions(JEMS)。同社は2023年までFCNTのスマートフォンを製造していた企業でもあり(元々は富士通周辺機)、スマートフォンの製造ノウハウに長けている。

 スマートフォンを含めて多くの製品が海外で生産されている状況下、JEMSを選んだのは日本のモノづくりにおける優位性が決め手だった。製品の製造に対してのきめ細かさや正確性、丁寧さだけではなく、製品に対しての思いやり、さらに製造に関わる人々の勤勉さや礼儀と言ったものがグローバル展開をする製品の製造に最適だったのだ。また昨今の円安に加え、中国などに対する追加関税も日本を選ぶ理由となったとのこと。

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日本でスマートフォンを生産する理由

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日本でのモノづくりが重要と語るアダモポウロス氏

タフネススマホだが、以前のモデルよりは日常使い寄り
日本市場での展開も予定されている

 今回紹介されたスマートフォンのモックアップを紹介する。製品名は「S125」「S225」で、従来の「S+数字2桁」とは異なるナンバリングとなる。S125はチップセットがクアルコムのSnapdragon 695 5G、5000mAhバッテリー、メモリー8GB、ストレージ256GB。メインカメラは5000万画素、フロントカメラも5000万画素。ワイヤレス充電に対応し、NFCも内蔵する。

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CAT S125

 S225はSnapdragon 7 Gen 3、5500mAhバッテリー、メモリー12GB、ストレージ256GB。メインカメラは1億800万画素でサーマルカメラも搭載、フロントカメラは5000万画素。こちらも無線充電とNFCに対応する。

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CAT S225

 どちらのモデルも本体サイズと重量は現時点では未公開だが、市販されているタフ仕様のスマートフォンや過去のCATのスマートフォンと比較すると、本体の厚みは薄く、日常利用でも十分使えそうだ。

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タフ仕様だが本体はそこまで分厚くない

 なお製品展開は世界約150ヵ国の予定で、日本も含まれている。

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日本でもこのスマホが使える日がまもなく来る

 フィーチャーフォン「F125」はフリップタイプの製品で、こちらは本体サイズに厚みがあるものの、現場作業などに適した質実剛健なデザインを採用している。

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CAT F125

 配送業や建築現場などに限らず、ラフに扱えることから年配者向けなど一般消費者にも受け入れられる製品だろう。

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まだまだ必要としている人が多い従来型ケータイ

 なおモックアップのためOSは確認できなかったが、Orbicが販売中のフィーチャーフォン同様、KaiOSが採用される可能性は高い。フィーチャーフォンながらGoogleサービスも利用できるため、スマートフォン代わりにも使えそうだ。

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タフな仕様は幅広いユーザーをターゲットにできる

 Orbicの日本市場への参入は2023年。それから2年間は自社ブランドのさまざまな製品を投入しブランド訴求もしてきた。しかし、CATブランドはすでに一定の知名度もあることから、Orbic製品を手にする日本人の数もこれから増えていくだろう。

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CATブランドの製品投入により日本での存在感を高める

 

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