2024年8月13日(現地時間)に開催されたグーグル・Pixel 9シリーズの新製品発表会「Made by Google」を取材しにアメリカ・サンフランシスコ州マウンテンビューにあるグーグル本社に行ってきた。
例年はニューヨーク開催で、日本のメディアには門戸が開かれていなかったが、今年は日本からも参加可能と言うことで、インフルエンサーだけでなく、Pixelを扱う国内キャリアの幹部も勢揃いしていた。
今回、グーグルはPixel 9シリーズ4モデルに加えてPixel Bus Pro 2やPixel Watch 3などを発表。例年よりも2ヵ月も早く発表、発売することで、9月に披露されるであろうアップルのiPhoneに先手を打ち、iPhoneユーザーを一気に奪おうとしているのだろう。
Geminiはまさに「欲しかった音声アシスタント」
発表会でのプレゼンや新製品を触っての感想を一言でまとめるとするならば「あの日、裏切られた悲しい記憶を帳消しにしてやってもいいかも」という感じだ。
いまから7年前である2017年春に「Googleアシスタント」が華々しく登場した。当時、スマートスピーカー市場が盛り上がりを見せ、各社がこぞってAIによる「音声アシスタント」に注力していた。
スマートスピーカーやスマートフォンが音声アシスタントに対応することで、まるでかつて観たSF映画のように「声でコンピューターと会話し、コントロールできる」という触れ込みであったので、「早く操作してみたい。未来を体験してみたい」ということで、本当に期待しかなかった。
しかし、実際に「OK、グーグル」と威勢良く話しかけ、やりたいことを伝えても「よくわかりません」「理解できません」「もう一度、仰ってください」と、一向に聞き入れる様子がなく、返り血を浴びるだけだったりしたのだった。
一生懸命、話しかけても、やってほしいことがまるで伝わらない。別にGoogleアシスタントに限った話ではなく、アップル「Siri」、アマゾン「アレクサ」も似たようなものだった。
結局、コンピューターとの流ちょうな会話を期待していた音声アシスタントには愛想を尽かし、インスタントラーメンを作る際の「3分後に教えて」の音声キッチンタイマーにしかならなかったのだ。
しかし、今回発表となった、GeminiはGoogleアシスタントとは違う
まさに「欲しかった音声アシスタント」の役割を担ってくれるように思えた。
音声で、調べたいことを探してきてくれるだけでなく、メモアプリなどにキチンと記録しておいてくれる。Gmailから見たいメールを探しだし、そこからGoogle マップで場所を探すことも可能だ。もちろん、音声だけでなく、テキスト入力でも対応してくれるので、電車のなかでも頼りになる存在になりそうだ。